夏休みの課題図書

 夏休みの課題図書は以下の5冊になります。(課題図書テスト9月6日放課後)

上橋菜穂子著『獣の奏者』Ⅰ闘蛇編/Ⅱ王獣編


夏休みはファンタジーを読んでみましょう。
著者の上橋菜穂子は「守り人シリーズ」でも有名な児童文学作家です。
『獣の奏者』の主人公は、天涯孤独の身になったエリン。私が一番面白く感じたのは、エリンが蜂や闘蛇、王獣などを観察しながら、少しずつそれらの生態へと近づいていくところです。対象を見つめること、仮説をたてること、観察結果から考察を導き出すこと、考察を修正すること、そうやっていくうちに、『獣の奏者』には、実際には存在しない闘蛇や王獣が鮮やかに浮かび上がります。

恩田陸『夜のピクニック』


高校生が「歩行祭」という学校行事で、80キロを歩き続ける一夜の物語です。
まさしく「青春」という名がふさわしいこの時間。
これを読むと、「歩行祭」をやりたい、という声が聞こえてきます。

アガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった』


1939年にイギリスで刊行された、アガサ・クリスティの代表作のひとつです。
舞台は、絶海の孤島。招待状で呼び寄せられた人が、童謡の歌詞になぞらえ一人ずつ殺されていきます。
「小さな兵隊さんが10人、食事に行ったら1人が喉につまらせて、残り9人」

鹿子裕文著『へろへろ』


人はだれでも年をとります。今、10代のみなさんも確実に…。
それなのに、私たちには年をとることを恐れる気持ちや厭う気持ちがあり、自分が年をとった姿を想像することができません(まあ、みなさんが想像できないのは当たり前ですが)。
私はこの本を読んで、80歳の自分を想像し、描かれる宅老所「よりあい」の生活を思い描きました。明るくパワフルに、特別養護老人ホームの開設を目指し、突っ走る人々の実録エッセイで介護の世界の一端を知ってください。

以上5冊は「夏休み用」に選書しました。楽しんでくれるとうれしいです。