11月の課題図書

 11月の課題図書(確認テスト:11月15日)は以下の2冊です。

太宰治『人間失格』


東京都三鷹市禅林寺には、太宰のお墓があります。玉川上水で入水心中をして遺体がみつかった6月19日(太宰の誕生日でもあります)は、「桜桃忌(おうとうき)」と呼ばれ、多くの太宰ファンが禅林寺を訪れます。
『人間失格』は、6月19日のおよそ1ヶ月前の5月に脱稿されました。
「恥の多い生涯を送ってきました」という一文から始まる手記には、周囲の人と上手に関わることのできない葉蔵の苦悩が吐露されています。
「繊細さ」や「生きづらさ」に共感する人も多い、太宰の代表作です。

原田マハ『楽園のカンヴァス』


MoMAのキュレーター経験のある原田マハが描いた、アンリ・ルソーの「夢」(MoMA所蔵)をめぐる小説です。
皆さんの中には、美術館によく行く人も多いことでしょう。日本では、多くの美術展が企画され、日本各地、世界各国のさまざまな絵画を見ることができます。特に、大きな企画展ともなれば、いつでも混雑していますね。絵画鑑賞のための長蛇の列に並びながら、絵画の人々を惹きつける力にいつも驚きます。
ルソーの「夢」を実際に見たことはありませんが、この小説を読んで、ますます見たくなりました。一枚の絵画に込められたさまざまな思いが、みなさんを「夢」の世界に誘うはずです。