終業式&春休みの課題図書

3月19日(昨日)は、1年生最後の終業式でした。

中杉に入学してから1年、みなさんはどのように変化したでしょうか?
自分では気が付かないほどの日々の小さな1歩の積み重ねが、みなさんが行きたい場所へいつか連れて行ってくれます。
春休みは2年生への準備です。今日の1歩を踏み出しましょう。


さて、春休みの課題図書(確認テスト:4月13日)は以下の4冊になります。

ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

イギリスの元底辺中学校に通う「ぼく」の世界には、ありとあらゆる差別(人種、貧困、宗教、性別、思想など)があります。「ぼく」は「母ちゃん」と話し、友だちと話し、先生と話し、自分が見聞きする差別について「自分で」考えます。
「なぜだろう」「あれはどういうことなんだろう」と考えようとする「ぼく」のまなざしに、大人である私はドキリとさせられました。


池井戸潤『陸王』

池井戸潤作品ですから、血沸き肉躍り、スカッとします。はじめは、文庫本の厚さに引いてしまうかもしれませんが、読み始めれば厚さなんて気にならなくなるはず。
熱い思いがほとばしる企業再生ストーリーです。

佐藤正午『身の上話』


『陸王』とはまったくテイストの異なる小説です。
まず、語り手が誰なのかも分からないまま読み進めていくことに気持ちがザワつきます。秘密を抱えた逃避行中の主人公にうっかり寄り添ってしまい、ウツウツとした日が続きます。主人公が人を殺した道具に驚愕し、料理するたびに眉間にシワを寄せます。
なかなかのイヤミスです。


中島敦『李陵・山月記』

「山月記」は高校の国語教科書に採録され続けています。私が高校生の時には、漢文調の文章が格好いいなあ、と思ったことを覚えています。主人公である李徴の姿が虎に変わってしまうという変身譚で、李徴の孤独と悲しみが描かれます。
現代文の授業では「山月記」を読み換えてみましょう。さて、どんな物語に「変身」するでしょうか?