早いものであと一月も経たないうちに2学期期末試験が始まります。
中杉名物課題図書、テスト勉強の息抜きになるのか、
あるいはテスト勉強に追い打ちをかけるものになるのか、
とにかく期末試験に向けて3冊の課題図書を読んでいきましょう。
中杉名物課題図書、テスト勉強の息抜きになるのか、
あるいはテスト勉強に追い打ちをかけるものになるのか、
とにかく期末試験に向けて3冊の課題図書を読んでいきましょう。
まずは京都研修旅行に向けて三島由紀夫の『金閣寺』。
最後には割腹自殺して、なんだか近寄りがたいイメージがあるかもしれません。
この小説も1950年に一人の青年僧が起こした金閣寺放火事件を題材にしているので、
とっつきにくいな、と思う人も多いことでしょう。
ですが主人公の言う「金閣を焼かなければならぬ」というキャッチ―な言葉をはじめとして
老僧の堕落した描写や主人公の「陰キャ」ぶりなど、
読者の印象にがっちり残るような仕掛けが随所に見られます。
ちなみに下の写真は、燃えてしまった金閣寺。
この小説を読んでこの写真を見てから行くと、
金閣寺の印象が変わるかもしれません。
研修旅行の予習としてもおすすめの一冊です。
さて二冊目は、パオロ・マッアリーノ『『昔はよかった』病』です。
パオロ・マッアリーノはイタリアン大学出身の日本文化史研究家と自称していますが、
この「イタリアン大学」なるものはこの世に存在しません。
そしてパオロ・マッアリーノがいかなる人物なのか、謎に包まれています。
知り合いの編集者にその正体を聞いてみたことがあるのですが、
どうにもわからない、とのことでした。
さてそれはともかくこの本は、私たちが何となく当たり前だと思い込んでいる常識が、
実はそうでもないということをさまざまな史料にあたりながら
縦横無尽に論じていくといった内容になっています。
たとえば、今では清涼飲料水と思われているコカ・コーラが、
日本に上陸した当初は、健康飲料として売られていたとか、
商店街が日本で一般化したのは、関東大震災以後だとか、
へえ~と思うようなことが書かれています。
内容はなかなか本格的なのですが、読み口はふわっと軽いので、
あまり構えずに読んでみてください。
さて最後は金井真紀『世界はフムフムで満ちている』。
これは様々な職業に就いている100人の達人に話を聞いたインタビュー集です。
海女さんや競馬評論家、法廷画家に塗装工、とにかくいろいろな人に話を聞いています。
これが本当にフムフム!で面白いのです。
たとえばドライブインの経営者は、
車の車間距離がバラバラな日は変な時間に店が混むと言い、
メーカーのクレーム係はクレーマーこそ最高のファン予備軍だと語る。
あまりの面白さに原先生は1時間で読み終えてしまったとのことです。
ですが1時間で読み終わるのが本当に惜しい、珠玉の「フムフム」ばかり。
息抜きのつもりで読んだら、
つい最後まで読みふけってしまうこと請け合いのインタビュー集。
読書の楽しみをぜひ味わってみてくださいね。