夏休みの課題図書③重松清『エイジ』

 8月も折り返し地点に来ましたね。今回のレビューは9組SHさんからです。


 重松清『エイジ』(新潮文庫)

 この作品は、1人のクラスメイトが地元をざわつかせていた連続通り魔事件の犯人として捕まり、中学生の主人公が自分の心の不安定さに向き合おうとする話です。主人公だけでなく他のクラスメイトや教師の変化もわかりやすく表現されていて、状況を鮮明に把握することができました。

 この作品では「マジ」や「ヤバい」などの若者言葉が多用されています。家族に対する複雑な思いなどが表されていて、思春期の中学生をリアルに描いているなと思いました。恋愛やいじめなど色々なストーリが描かれていて飽きることなく読むことができました。この小説には強弱があまりついておらず終始淡々としているように感じますが、続きが気になってしまい読む手が止まりません。ぜひ読んでみてください。(9組SHさんより)