夏休みの課題図書④稲田豊史『映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形』

 課題図書のレビューが続きます。本日は7組OK君から。

 

 稲田豊史『映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形』(光文社新書)

 

 この本では、近年、若者を中心にして広がっていると見られている、映画、アニメ、ドラマ等の映像作品を倍速で視聴する行動について、現代人が直面している環境の変化を元に分析しています。
 筆者は、映像供給メディアの急速な発展により、映像作品の供給過多が起き、かつ、SNSがより身近なものになっていくにつれ、「映画を観る」ことに対しての、作品の鑑賞としての意味合いが薄まっていることを指摘しています。そして、SNSや実生活において会話を回すための一手段として、映像作品がコンテンツとして消費されている現状があります。
 自分は、早送りで視聴するという方法で本当に作品を楽しめるのか、疑問に思いました。しかし、この本を読み、倍速視聴という行動にたどり着く人々が多くいることの原因を理解することができました。普段、早送りで映画やドラマを観ている人も、観ていない人も、是非一度読んでみてください。(7組OK君より)